単衣（ひとえ）の着物と袷（あわせ）の着物とは？
単衣（ひとえ）とは裏地のある袷（あわせ）に対し、裏地のついていない着物を単衣といいます。
袷の着物には、裏地や裾周りに八掛（はっかけ）がついています。温かいので10月～5月まで着るのが一般的です。単衣とは裏地がついていないので6月や9月の季節の変わり目によく着るのが一般的です。
単衣（ひとえ）はいつからいつまで着るもの？
一般的に「衣替え」は、暦の上では6月1日と10月1日とされてきました。
しかし、近頃は5月を過ぎるころから、すっかり初夏の日差しを感じるようになり、袷の着物を着ている気候ではなくなります。
和装で、単衣の着物を着る時期は少し前までは6月と9月のふた月とされていましたが、近頃では4月下旬～5月も単衣の時期といえるかもしれません。
従来の季節の衣替え
単衣（ひとえ）…6月と9月
袷（あわせ）…10月から5月まで
現代の季節の衣替え
単衣（ひとえ）…4月下旬～6月、9月～10月中旬まで
袷（あわせ）…10月中旬~4月下旬まで
上記をみてもわかるように最近では温暖化の影響などもあり衣替えの時期も昔に比べるとだいぶ変わってきているようです。
単衣（ひとえ）の時期に応じた合わせ方
衣替え自体は4月下旬から始まりますが、6月などは梅雨の季節で湿気が多くなり、雨が降れば肌寒く、袷のほうがいい日もあります。
この時期の単衣は、じめじめした日が多いので木綿、麻などの肌にさらりとした素材を用いると心地よいです。
9月はその日の気温や湿度によって、また、ご自身の体感温度に従って、薄手のものや、やや薄手のもの、そして一般的な単衣といった風に、臨機応変に着分けると良いかと思います。
全体的に、単衣の季節(概ね5月～9月）は、袷ではなく単衣を着るということ、盛夏には透け感のある薄物が相応しくなります。
暑さの調節は、中に合わせる長襦袢の材質で上に着る着物だけではなく調節できます。
最近は春と秋が短く、夏と冬が長い印象がありますが、ご自身の着こなしで季節を楽しんでいただけるといいと思います。
単衣の帯合わせについて
単衣は専用の帯があるわけではないので、その時期の気温や着物に合わせて選びます。
暑い日には絽や紗など夏着物用の帯を、涼しい日には素材感が軽めの袷の帯を合わせると良いでしょう。
夏を含め一年中使える博多帯も、初夏・初秋問わず単衣に合わせられますので、一枚持っていると便利です。
単衣に合わせる帯揚げ
単衣に合わせる帯揚げは基本的に帯に合わせて全体の季節感を揃えましょう。例えば帯が夏用であれば、帯揚げは絽や紗など、帯締めはレースにするなど夏用の小物に統一すると季節感がでるのでオススメです。
単衣に合わせる帯締め
単衣に合わせる帯締めですが、こちらも帯揚げと同じように、帯に合わせた季節感で揃えましょう。
最近では夏用の帯締めとして、レースで織られた帯締めも多くあります。その他、色がさわやかなもの、細め・薄めの帯締めも、夏の単衣コーディネートに合わせて使うと季節感がでていいでしょう。
まとめ
暑さや寒さを感じるのは、自分自身ですから、この時期には、必ず袷や単衣を着なければいけないわけではなく、暑くなれば単衣に変えて、寒くなれば袷を着ることが基本になります。
着物の装いは、見た人が暑苦しそうとか寒そうと感じないように、夏の季節着物は、見た目も涼しく着こなすことが重要になってきます。
また、合わせる帯や小物によって季節感を演出したりするのも楽しみの一つかと思います。
